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花の資格を「復活」させるには

花の資格を「復活」させるには

かなり以前に花の資格を取った、でもそれほど資格を活用せずに、花の趣味から離れて何年もたってしまった、私のあの資格を今一度復活させたい……というときにお読みください。

花の国家資格「フラワー装飾技能士」は、一度取ったら失効しない

現状では、日本でたった一つの装花の国家資格であるフラワー装飾技能士は、取った後に何もしなくても失効しません。つまり、資格に有効期限が無いのです。
なので、何十年前に取ったものでも、取った後に一度も花鋏を持たなかったとしても、技能士はずっと技能士です。

フラワー装飾技能士の場合、業務的な許認可に関わらない資格なので、
「何十年も前に取って、もう技術なんて全部忘れてしまった」
という人でも、「技能士資格を持っています」と言って求職活動しても問題はありません。

民間資格を放っておいたらどうなるのか

上の項の「フラワー装飾技能検定」は国の資格です。そのほかの飾花の資格は、すべて民間資格です。民間が出している資格については、それぞれの発行母体の考え方によって資格の有効期限のルールが決められています。
例えばどんなルールがあるのかと言うと、


【例1】資格の発行母体に年会費を払っている間は資格が有効。年会費を払うのをやめると、資格も無効 → つまり、何もせずに放置すると資格は失効してしまう

【例2】一度取った資格はずっと有効だが、発行母体に年会費を払わないと生徒の資格申請ができない(「資格取得可」の教室を運営できないということ) → 何年放置しても資格自体は有効。でも放置中は一部の活動が制限される

【例3】発行母体に「休会」を申し出ておけば失効しない → つまり「休会届け提出」を怠ると資格が失効する

【例4】(国家資格と同じく)一度取ったら、期限は無くいつまでも有効。長いブランクがあっても、何の手続きもなしに復活できる


などのようなものがあります。自分の持っている資格がどのようなルールになっているのかは、それぞれの資格発行団体に確認するしかありません。

「復活」の方法も、団体によって違う

上の項にあげた【1】~【4】のうち、何の手続きもなく資格を復活させることができるのは【4】だけです。(【4】の場合、「復活」の必要もなくずっと継続されている、という状態です)【1】~【3】は、資格の発行母体で、何らかの手続きをしなければなりません。

この「手続き」も、発行母体によってそれぞれに異なります。一番シンプルに見える【3】の場合でも、団体によって相当な扱いの違いがあり得ます。

たとえば、Aスクールは、「休会届けの取り下げ」だけで済むかもしれません。書類一枚提出すれば、あなたの資格は復活する、と言ってくれるかもしれません。
でも、Bスクールは、「休会していた期間の年会費をお払いいただいてからの復帰手続き」かもしれません。長くの休会だと、何十万円も払わないと復帰できないのかもしれません。
Cスクールは、所定の研修を受けないと休会届けは取り下げられない、と言うかも知れません。所定の研修の受講料に、数万円かかるかもしれません。

このように、「書類一枚提出」から、「数十万円の払い込みが必要」まで、幅広い可能性があります。これは、各団体がそれぞれの考えで運用しているルールに従うことになります。

復活の方法は、資格の発行母体に確認するのが一番確実

各資格の復活に関する情報は、それぞれの資格の発行母体や、もと所属していた教室で確認されるのが確実な方法です。
スクールによっては、公式サイトの「QAコーナー」などで復活の方法を明らかにしているところもありますが、そうでない団体(=明らかな説明をしていない団体)の方が多いです。

確認してみて、復活が簡単にできる団体であれば何の問題も無いのですが、予想外の大金の払い込みが必要とされる場合などは、資格を復活させるかどうか、今一度考え直しても良いのではないでしょうか。
「考え直す」ことを可能にするためには、問い合わせの段階では、「復帰しようか悩んでいる」という姿勢で聞いてみるのが良いです。資格発行母体の職員にしろ、教室の先生にしろ、
「復帰をご希望ですね。分かりました」
と、どんどん話を進められてしまうと、やはり断ろうと思った場合に、心苦しい思いをすることもあり得るからです。

復活することが最初から分かっているなら……

今は花から離れるけれど、いずれは再開したい、という思いを最初から持っている場合は、復活の方法をあらかじめ確認しておくのが良いです。ただし、スクールや流のルールは、大幅に変わることもありうることを理解しておきましょう。

しかしながら、「復活が難しくなった花資格」というのは、あまり例がありません(少なくとも管理人は知りません)。「復活が以前よりも簡単になった」という例ならばあります。今のご時世では、「何事も簡単にできます」という姿勢の方が、受け入れられやすいのかもしれません。

「証書」は必ず保管しておいて!

花から長いこと離れてしまった人は、資格の証明書を紛失してしまっていることが珍しくありません。
そういう場合、資格を復活させるときに、「資格証の再発行」などのために、余計な手間とお金がかかることもあります。

そのようなことを避けるために、取った資格の証明書は、ぜひともどこか分かる場所に保管しておくことをオススメします。そもそも、その証明書を入手するためには、お金がかかったはずではありませんか。それほど邪魔になるものでもないはずなので、大事に保管しておいてください。

実際に、
「昔取った花の免状が、思いがけず、数十年ぶりに役立つときが来た」
ということはあるものです。ずっと前にやめてしまっても、「まさか花を再開すると思わなかった」という日は、誰にでもやってくるかもしれません。
自分は絶対にそんなことにならない、と思っている人にも、
「そういわずに保管しておいてください」
とお伝えしたいと思います。意外に、何十年か先の未来で、花はあなたの職業になっているかもしれませんよ。


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