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いけばな(華道)系資格……池坊の免状

いけばな池坊の免状にはどんな階級があるのか? どこで池坊の免状を取れるのか?

何年くらいで階級を昇格していけるのか? 免状は、どこまで取るものなのか?

世の中に、池坊の稽古場は多いのか、少ないのか? 池坊の免状を持っている人は多いのか、少ないのか?

などの情報を紹介します。

池坊の免状

池坊(いけのぼう)の免状

いけばな最大の流派、池坊の発行しているお免状です。

池坊のお免状は、下のような段階で発行されます。(池坊は、免状の階級のことを「職位」と言うのが一般的)


入門→初等科初伝→中等科中伝→高等科皆伝→師範科助教華掌→
脇教授3級准華匡→脇教授2級准華監→脇教授1級准華綱→准教授3級華匡→准教授2級華監→准教授1級華綱→正教授3級総華匡→正教授2級総華監→正教授1級総華綱→准華督→華督→副総華督→総華督

太字の資格が、教えることのできるものです。准華督からは、技術や年数のほかに、年齢制限が付き(准華督=40歳以上、華督=45歳以上)推薦も必要になります。

※正教授の取得は、実技試験アリ


池坊門弟の方に聞いてみたところ、一つ上のお免状に上がるには、「1~3年くらいかかる感じ」とのこと。

上記の職位の中で、どこまでを取るのが一般的、あるいは適正、ということは無いと思います。これだけ職位の種類が多いと、最後まで取っていない人もかなりいるはずです。(推薦が必要なお免状は、相当本格的にやる気がある人でないと取らないと思います)

「教えられる資格が欲しい」と考えるなら、最低でも脇教授3級准華匡が必要ということになります。しかしそれでは、「一番下の指導資格」なので、教えられる範囲が少ないでしょう。
でも、
「私は、池坊の師範資格を持っています」
と言える事実さえあればよい、という人には、一番下の免状でもかまわないはずです。脇教授3級准華匡の免状取得料がいくらなのか、管理人自身は知らないのですが(他流の者が聞くのはためらわれる事柄です)指導できる資格ですので、どう考えても5桁かかると思います。

いわゆる、「免許皆伝」のラインは、高等科皆伝からですので、「私は免許皆伝です」と言いたいだけなら高等科皆伝まで取ればよい、ということになります。しかし、高等科皆伝は指導資格ではありませんので、そこまでで取ることをやめると、教えることはできません。

池坊の先生として、カルチャーセンターや、会社稽古の指導に入りたいなら(つまり、公の場で教える未来を見据えているなら)、最低でも正教授は欲しいところです。
自分がいけばなに何を求めているのかをよく考え、自分にはどんな免状が必要なのかを見極めましょう。

池坊の免状を取れる場所は、たくさんある

どの流派でもそうですが、池坊の免状をとれる場所としては、

  • 個人の教室
  • 池坊の本部教室
  • カルチャーセンター
  • 会社や学校の部活動
  • フラワービジネス系スクール

などがあります。

池坊の大きな特徴として、最も伝統ある流派であることと、門弟の数が多いことによるものと思われますが、スクール関係で免状取得できる場所が充実しています。

フラワービジネス系のスクールで、カリキュラムに池坊の免状取得が含まれてるものもありますし(例:東京スクール・オブ・ビジネス)、短大の学科で池坊華道を学ぶところもあります(例:九州大谷短期大学)。
また、池坊は、池坊短期大学という短大を持っていますので、そこでも当然池坊華道を学べ、免状を取れます。

池坊の免状は、珍しくはない

池坊人口は、非常に多いので、町のお稽古場も数が大変多いです。池坊の先生が看板を上げていない町の方が、多分少ないと思います(少ないというか、「無い」かもしれません)。したがって、稽古場は探しやすいです。

しかし、これは逆に考えると、ライバルが多いということでもあります。人の何倍も努力しないと、池坊の中で認められることさえ難しいと思います。 ちなみに、免状を取ったくらいでは、流の中では「すごい実力のある人」とはみなされません。免状取得者など、その辺にいくらでも居るのです。

もっとも「いけばなの免状らしい」のは、池坊の免状である

ただ、楽しみのためだけに池坊を習うのであれば、免状取得は必須ではありませんが、教室を開きたい方、池坊の作家として活躍したい方は、積極的に上位のお免状を取得することを検討するべきです。
池坊は、日本最古の華道流派ですので、「伝統的で日本らしい」ことにかけては、他の流派の追随を許しません。日本びいきの海外の方に、「池坊の免状もち」だと言うと、一気に尊敬の眼差しで見られることもあります。

参考:免状料はいくらなのか

これから池坊に入門を考えている方は、免状取得にいくらかかるのかが気になることかと思いますが、池坊本部に問い合わせても、こればっかりは教えてもらえません。
よって、ここに金額を明記することはできないのですが、池坊の人と話したときに私の得た感触としては、最初のお免状は多分「一万円前後」のようです。そして、上位の免状に進んでいくと、どこか途中の段階で10万を超えてくると思われます。(あくまでも、「会話から推測した値段」です。しかし、それほど的外れではないでしょう)

参考:レッスン料はいくらなのか

レッスン料は、各稽古場で異なります。ネットや、お稽古情報雑誌などで複数の教室を探して比較してみるとよいでしょう。↓のサイトなどをご参考にどうぞ。

池坊の作品を見てみたいなら……

Googleの画像検索で、「池坊」と検索してみると、色々出てきます→画像検索 池坊

免状取得に関する、リアルな話

いけばなの免状は、どんどん上のものを取りたいと考えているのなら、一つの免状を取るたびに、先生に
「次もよろしくお願いします」
と言っておいたほうが良いです。免状は、上位になるほど高額になるので、先生によっては「取得を強く勧めるのはためらわれる」と思っているケースがあるのです。

反対に、花は習いたいけど、免状はそんなに欲しくないと考えるなら、自分から免状が欲しい意向など、一切あらわさないほうが良いです。

これは、なかなか微妙な問題であり、管理人の経験によれば、免状が欲しいのに先生に申請を勧めてもらえず、
「下手だから勧めてもらえないのだろう」
と思い込んでいる人もいれば、逆に、そろそろ免状は打ち止めにしようと思っているのに、先生に勧められてしまって、流されて
「取ります」
と言ってしまい後悔する、という人もいるのです。

自分が、どんな風に池坊の免状と付き合っていきたいのかを見極め、それを率直に態度に表したほうが、話が早いと思います。

看板に関するリアルな話

人に「お花の免状を持っています」と言うと、 「じゃあ、看板も持っているんですね」
と言われることがあります。どうやら、昭和の前半くらいまでは、
「教えられる免状を取得する」=「同時に看板も買う」
というのが当たり前だったようです。

また、流の考え方によっては、免状と看板がセットになっていて、教えられる免状を取るときに、自動的に看板がついてくる(要するに、免状料の中に看板代が含まれている)ところもあるようです。

しかし、池坊では、免状と看板は、セットでも強制でもありません(2020年現在)。あくまでも、看板は欲しい人だけが買うものとなっています。看板は、「買わされる」ものではありません。

管理人は、池坊をどう考えているか

管理人自身は、草月流の門弟ですが、池坊は嫌いではありません。毎年の池坊展は、時間さえあれば必ず見に行きます。

池坊の、枝や葉を自在に操る技術は、実は密かに習いに行きたいと思っています(草月の人間なので、池坊の免状自体は欲しいとは思いません)。また、大型の立華など見ると、これを生けたらさぞかし気持ちがいいだろうと思います。

もしも、管理人のリアルな友人が
「池坊のお免状取ろうかと思う」
と言ったとしたら、止める理由は特にありません。立派な流派だからいいんじゃない?と答えるでしょう。


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