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参考:花ソムリエとは?

参考:花ソムリエとは?

花ソムリエとは何か? 花ソムリエになるにはどうすればいいのか? などの情報ページです。

花ソムリエ(日本切花協会)とは?

花ソムリエとは、日本切花協会が認定する資格です。(やや特殊な資格なので、「資格」という言葉も使いにくいのですが、ここでは花ソムリエを資格と捉えて説明します)

花ソムリエの定められた目的は、
「花を楽しもうとする人達に適切な指導、助言等ができ、協会が設定した基準を満たした精通者に花ソムリエの称号を授与し、その称号を生かして活動をしていただくもの」(日本切花協会公式サイトより)
です。この資格で重要なことは、「正しい助言ができる人」の育成を目指していることで、「ソムリエ」という名称にもその理念が現れています。

具体的にどんな助言ができる人が花ソムリエなのかと言うと、

  • 切り花について
  • 食用花について
  • 花のラッピングについて

の三種類です。
それも、三種類全部ではなく、三種類の中のどれか一つの知識を修めれば、花ソムリエの登録はできます。(もちろん、三種類すべてを網羅している人もいます)

つまり、花ソムリエは全員が同じ知識を持っているのではありません。花ソムリエが三人集まっても、三人とも分野がそれぞれ違う、ということがあり得るのです。

花ソムリエになる三つの方法

花ソムリエになるには、下のいずれかの資格を取る必要があります。

上の三つの資格を取る方法は、それそれの記事を参照ください。

上記の三つの資格のどれかを取得し、日本切花協会に花ソムリエとして登録する(登録料10,500円 2021年現在)と、花ソムリエの証書とバッジが与えられます。
三つの資格のどれも、取得しただけでは花ソムリエにはなれず、資格取得後に花ソムリエ登録する、という手続きが要ります。

上にも書きましたが、花ソムリエになるにあたって、三つの資格のうち、複数を取っている人もいます。花ソムリエに登録するタイミングは自由なので、資格一つを取ってすぐに登録しても良いですし、複数の資格を取ってから改めて登録することもできます。

上記の三資格を取るには、必ず指定の講習を受ける必要があります。それぞれの記事で、受講料を紹介していますが、その料金の中に花ソムリエの登録料は含まれていません。資格を取って花ソムリエの登録もするのであれば、「受講料+登録料」が必要です。

どの資格から花ソムリエになるのが良い?

上の項では、花ソムリエになるための入り口となる資格は三つある、と書きました。
では、三つの資格のうち、どれを入り口に選ぶのが良いのでしょうか?

それは、花ソムリエを取得したい理由によって異なります。
例えば、エディブルフラワーのスペシャリストになりたい人は、当然エディブルフラワーコーディネーターを選ぶべきです。
しかし、花ソムリエになれればどれでも良い人や、満遍なく知識を得たいので一つを選べない、という人は、受けやすい講習日や講習場所で選んだり、一番受講料が安く、実技も無い花検を選ぶと良いのではないでしょうか。

花ソムリエは、毎年更新料がいる

(2021年現在)

上に書いたように、花ソムリエになるには登録料が必要です。そして、その資格を維持するためには、毎年登録の更新料(10,500円)が要ります。
更新料を払わないと、花ソムリエの登録は抹消されます。

花ソムリエを登録するときに、必ず「更新料が必要」ということを理解しておきましょう。

花ソムリエになると何ができる?

花ソムリエになると何ができるのか? これは、意外に難しい質問です。
上記のように、花ソムリエは、単一の技術に対して出される資格ではありません。
そもそも、「資格」とも言いにくいのです。正確にいうと、特定の資格を取ったことにより、名乗ることを許される肩書、といったものです。

しかしながら、「花ソムリエ」という名称は、一般の方には非常に受けが良いです。何をする人なのか具体的には分からなくても、「花に詳しい人なのだな」ということは、どんな人でも把握できますし、なんとなく「かなりのスペシャリスト」「スマートな資格保持者」という印象を持ってもらえるようです。
よって、
「花ソムリエの資格を持っています」
と言いたいだけに取ることがあっても良いと思います。そのことが、取るために必要な労力と費用に見合うのであれば、です。

良い印象などよりも、実質は何に役立てられるのかと言う人には、「今持っている花のスキルの補強材料にする」というのが、最も現実的な答えかと思います。
花検(切花の知識)にしろ、エディブルフラワーコーディネーターにしろ、フラワーラッピングマイスターにしろ、それだけで職業に直結させるのは難しいです。
花屋の店員や、フラワー講師が、幅広いスキルを持って豊かな仕事をしたいと思うときや、「こんな資格も持っています」というアピールをしたいときに、役立つ要素の一つにはなるでしょう。

もちろん、花ソムリエの証書だけを武器にして、起業できるような才のある人もいるかと思いますが、ほとんどの人にとっては、「仕事や社会につながる力がある」と言える資格ではありません。
花ソムリエになるための三つの資格のうち、二つは数時間の講習で取れるものだということを忘れないでください。数時間の講習で、人生を支える強力な武器になるような資格が取れるものかどうか考えてください。

花ソムリエの内容は、わりとマニアック

「ソムリエ」という言葉は、普通はワインのソムリエを指します。ワインのソムリエを一般の人がどうとらえているかと言うと、「ワインに精通し、ワイン選びの的確な助言ができる人」だと思います。

「ソムリエ」に「花」が付いた花ソムリエを、一般の人はワインのソムリエと重ねてとらえると思われます(名付けた側もそれを狙っているのでしょう)。
つまり花ソムリエは、世間に「花に精通し、花選びに的確な助言ができる人」と受け取られるはずなのです。具体的には、
「花の飾り方、もしくは育て方に詳しい」
「花ギフト選びにすてきな助言をしてくれる」
「花のことは、一通りなんでも知っている」
というような人と思われることでしょう。

しかし、実際の花ソムリエの講習内容は、上に挙げたようなイメージとは合致しません。
花ソムリエの内容をよく見てください。花ソムリエの三つの資格は、どれもマニアックな内容と言えるのです。花ソムリエが、ラッピングの専門講習だけ受けて取れるものとは、普通の人は思わないでしょう。

この記事を上から読んでもらうと分かりますが、花ソムリエという資格は、いろいろな意味でかなり変化球な資格です。取得するのであれば、変化球であることを分かって取るべきです。それほど、ユニークな資格なのです。

ユニークな資格は講習もユニークで、講習会自体は、あまたある資格取得講座の中でも、明らかに「華やかさ・面白さ」で抜きんでたものを含んでいます。
「ソムリエ」というネーミングから、「誰かに助言できてこそ価値がある資格」のような印象を持ちますが、実態はむしろ「取る楽しみ」が大きい資格のようにも見えます。


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