色彩(カラー):花の資格に役立つ資格
花の資格のほとんどは、「色」と無関係ではありません。
花のために色彩を勉強することは必須ではありませんが、花の補助的な勉強としてはポピュラーなものです。
花デザインと色彩の関係は密接
花の創作の分野が色彩に注目したのは最近のことではありません。今、管理人の手元にある資料の中では、昭和26年のいけばな草月流の流内誌に、色彩に関するコラムの連載が始まっているものが確認できます。終戦の数年後には、いけばな流派が公式に、色彩学の有用性について発信しているのです。
いけばなも、フラワーアレンジメントも、プリザーブドフラワーも造園も、みな一種のデザインです。そして、どれも色を主テーマにして作成することができます。
そのため、花のジャンルを深く追求していくと、「色そのものを勉強したい」という気持ちが芽生えてくるのは、比較的自然なことです。
意欲を持って色彩を勉強することで、センスが磨かれ、花の創作への思いが高まることも大いにあります。
花の作品だけでなく、花の展示会を開くときの会場構成や、パンフレットの作成にも、色彩の知識は役に立ちます。
色彩の資格を取るかどうか
あくまでも、花の勉強の補助としての色彩学であれば、資格取得は必須ではありません。資格を取らなくても、学問を修めることはできるはずです。
しかし、せっかく学ぶのであれば、そして取れるのであれば、「資格」という分かりやす形にして持っておこうという考えもあると思います。
花に役立てたいだけなら「取得不要」
「本当に全力を傾けたいのは花のジャンル」であって、下記のような理由があれば
- 色彩の資格の有無で、自分にはメリットもデメリットもない
- そもそも、そこまで本格的にやるつもりがない
- 安ければとってもいいが、高額ならばいらない
資格として証明できるものまでは特に必要ないと思います。
資格が必要ないとなると、学び方も自由度が高くなり、書籍やネット情報で独学する道も選べます。また、資格試験対応の理論を主とした講座を受けずに、楽しむことを主とした講座を選ぶこともできます。
管理人個人の考えでは、基礎だけで良いと思うなら、市販の書籍を読むだけでもいいのではないかと感じています。専門の講座を受けたり、資格取得を目指すのは、基礎よりも何歩か奥に入りたいと思っている人が考えることでいいのではないでしょうか。
本格的に取り組みたいなら「取得もあり」
花のための勉強だとしても、花以外の資格を取って悪いことはないので、せっかく取り組むなら資格を取ろうと考える人も当然でてきます。
取ることをお勧めしたいタイプの人は、
- 資格を目指すことではっきりとモチベーションが上がる人
- 資格取得自体に楽しみを見出せる人
- 色彩の資格取得者であることを、花の世界でセールスポイントにしたい人
です。
特に、「花の世界でセールスポイントにしたい人」には、資格を取って、それを十二分に活用されることをお勧めします。
色彩の資格の種類
代表的な色彩の資格や色彩講座と、その特徴を挙げてみます。
- 色彩検定(色彩検定協会)……色彩の資格としては最もメジャー。3級~1級がある。もともとはファッション業界向けの資格
- カラーコーディネーター検定(東京商工会議所)……上の「色彩検定」とよく混同される資格。知名度としては、色彩検定に次ぐ二番手。製造業向けの内容を含む
- パーソナルカラリスト検定(日本カラリスト協会)……人と色彩に着目した資格。ファッションやインテリアのカラーコーディネートに向いている知識が主
- トータルカラリスト検定(日本カラリスト協会)……配色のスペシャリストを目指す資格
- ADEC 色彩士検定(ADEC)……ベーシックな色彩学を総合的に網羅した内容。もともとは教育事業として発足した
- カラーセラピスト(日本色彩環境福祉協会)……色彩心理学の資格
- 色彩福祉検定(日本色彩環境福祉協会)……福祉のための色彩学の資格
- カラーセラピスト資格(日本能力開発推進協会)……色彩心理と色彩療法の資格(上の「カラーセラピスト」とは別のもの)
色の資格の選び方
花の補足として学び、色彩のスペシャリストを目指すわけではないのであれば(この際本気で色彩のプロになりたいという人は、色彩の専門サイトをご覧になってください)、自分の習いたい気持ちの大きさ・温度感と合うものを選ぶと良いと思います。
学習にかかる時間や労力、費用などを確認してみましょう。
何かしら自分にとってやりやすい要素(例:「通勤経路の途中で習えるところがある」「独学でも受験できる」etc)や、自分が楽しめそうな要素のあるものがおすすめです。
理論に走りすぎることには要注意
本来、色彩を花のために学ぶことで、何一つ弊害はありません。あるとすれば、学習者が自分で弊害を作ってしまうことです。
色彩の勉強には、理論があります。この理論を、花のジャンルに杓子定規に持ち込みすぎると、花の創作物に面白味が無くなることがあります。
理論の通りに、色の組み合わせをすることは花の世界でもできます。それを有効利用することも大いにできます。しかし、色の勉強に引きずられるあまり、理論なしでは色を組み合わせられない人になってしまったりすると、これは問題です。
色彩に限らず、補足の勉強は、本来の自分のフィールドで、より自由により豊かに活動できるためにするものです。補足の勉強をしたために、本来のフィールドでの動きが不自由になるくらいなら、やらない方がいいです。
知識を入れることで、頭でっかちになりすぎる傾向があると自覚している人は、特に要注意です。