花の習い事を辞めたいときには……(大人編)
花の習い事をやめるときには、普通はどうするものなのか?
やめる理由はどこまで話せばいいのか、どんな言葉で「辞めたい」と言うのか、
誰に「辞めたい」と言えばいいのか、挨拶の品は必要なのか……
などの、現実的で具体的なことについて、一般的な範囲で解説しようと思います。
※ここでは、「東京の、一般的な辞め方の現状」を説明します。もしかすると、地方によってはこの記事の方法ではドライにすぎることもあるかもしれません。あらかじめご了承ください
事前に「辞めたい」と申告しなければならない義務はない
習い事は、雇用などと違い、「○か月前にはやめると申告せよ」というような決まりはありません。
つまり、突然に「やめます」と告げるだけで終わりにしても、何の問題もありません。緊急に、習い事を継続できなくなるということは、いつでもあり得るものです。
たとえば、
- 家族の介護が必要になった
- 急に引越しが決まった
- 自分が長期入院することになった
- 特定の曜日に時間を取れないような仕事になった
- 財産的に、良くないことが起こった
などなど、誰にでも起こり得ることです。
ただし、事前に一言あるのが礼儀だ、という思いがある人は、前もってきちんとお話すれば、先生の側は嬉しいはずです。
一般的には、あらかじめ分かっていることなら、事前申告してやめる人の方が多いと思います。
できれば、「無断」はやめよう
「休む」とも「やめる」とも言わずに、突然に行かなくなる生徒さんも世の中にはいます。しかし、これは出来る限りやめたほうが良いです。
教室の主催者側からすると、たった1本、電話をくれればいいのにと思います。やめる理由を言いたくないなら、きれいなウソを言ってもいいではありませんか。
黙ってやめるほかどうしようもない事情も、人によってはあり得ると思います。でも、基本的には元気で無事でいる人が、何か行けない事情・行きたくない事情ができてやめるときには、電話でも手紙でもいいので、「教室をやめます」と申し出ましょう。
具体的な「辞めたい」の言い方
どんな言い方でも、自然に出てきた言葉で良いと思いますが、一般的には以下のような言い方が多いです。
- 「やめさせていただこうと思います」
- 「通えなくなりました」
- 「続けることが難しくなりました」
- 「ここで一区切りさせていただきたいと思います」
もしも、いつかレッスンを再開する未来もあり得ると思っている場合は、「状況が許せば、また戻って来たい」という気持ちを伝えておくと良いです。結果的に、再開することができなかったとしても、それを不義理と思う先生はいません。
「辞めたい理由」は必ずしも必要ない
なぜやめたいのか、という理由の申告は、必須ではありません。
たしかに、理由を言うほうが自然ではあります。そして、やめる本人に「言うのが礼儀・言うのが誠意」という思いがあるなら、そのときは言うべきです。でも、
「今までお世話になりましたが、今月でやめようと思います」
だけでも、十分な挨拶です。理由を言うことに困るなら、無理に理由を申告することはありません。
やめる理由の言い様に困ると言うのは、「言えない理由」であるか、「理由らしき理由がない」か、どちらかでしょう。
たとえば、
「習ってはみたけど、どうもつまらないので」
「お月謝の値上げが、ふところに痛いので」
などの理由は、言えないというか、言い難い理由です。こういうときには、いっそ言わなくていいです。それでも何か言わなければ、と思うなら、むしろ当たり障りのないウソを申告すればいいでしょう。
「理由らしき理由がない」というのは、本当に「なんとなく、やめようか」という場合です。嫌いになったわけでもなく、やめなければならないわけでもなく、でも、「もう別に続けなくても……」というときです。
そういうときにも、理由は申告しないか、当たり障りのないウソを申告しておきましょう。
メールやLINEで「辞めたい」は、OKなのか?
やめる意思を伝えるのに、メールやLINEのみというのはどうなのかと言いますと、現在の東京では、容認されることが多いです。少なくとも、すでに「非常識」ではなくなっています。
メールやLINEも、書きようによっては非常識になり得ますが、礼を欠いていない文面であれば大丈夫です。
ただし、東京以外の地方では、まだ許されないかもしれません。また、都内でも、60代以上の先生には、メールやLINEだけでは不足かもしれません。
できれば、先生本人にやめる意思を伝えよう
小規模の個人教室の場合、「やめます」と伝える相手は先生本人しかいません。しかし、先生以外の人が、教室の事務的なことを処理しているようなところだと、先生本人には「やめます」といわなくても、教室をやめることは可能ではあります。
たとえば、カルチャースクール、会社の華道部、学校の華道部、流派やフラワースクール主催の教室などは、事務担当者にやめると申告すれば、手続き的なものは完了します。
でも、指導者の側からすると、できれば指導した先生に、直接「やめることになりました」と言って欲しいものです。
先生の側からすると、今まで通ってくれたことに「ありがとうございました」と伝えたい思いもあります。可能であれば、最後の挨拶が直接できれば、先生の側も嬉しいはずです。
挨拶の品は、必須ではない
レッスンをやめる挨拶のときには、何か「挨拶の品」を持って行くものなのだろうと思っている人が多いです。
しかし、持って行かない人は非常識ということはありません。
挨拶の品を用意するなら、それがご自分のためになるときだけでいいです。用意した方が自分が気楽だと思えるときか、自分にとって用意するほうが自然だと思えるときかの、いずれかでいいです。そして、高価なものである必要はまったくありません。
資格の申請中の場合は……
急にやめなければならなくなったときに、たまたま資格の申請中だった、ということが稀にあります。たとえば、
「資格取得申請をして、通常は資格取得が証明されるのに3ヵ月後ほどかかる。しかし、資格申請の一ヵ月後に、急にレッスンをやめることになった」
というような場合です。
そういうときは、先生によく話を聞いて、きちんと資格の証明を自分のものにしてください。証書を、必ず自分の住所に送ってもらうとか、または自分で証書を教室に取りに行くなど、先生と相談して決めておきましょう。
また、証書取得の後に、母体スクールで登録手続きがあるような資格もありますので、そのような場合には何をすればいいのかも聞いておきましょう。
やめた後に先生の手を煩わせるのは気が引ける……と思うことは無いです。「やめた生徒の手続きなどしたくない」という先生など、めったにいるものではありません(いるとしたら、相当変わった先生です)。
せっかく申請した資格が、教室をやめたためにうやむやになってしまった、ということの無いようにしてください。
やめる人を、怒る先生はいない
教室を「やめます」という口火を切るときに、ほとんどの人は、「なんとなく気まずい」または「なんだか申し訳ない」などと思うもののようです。
しかし、花の教室は、出るのも入るのも習う側が決めるものです。通いたい人・通える人が通っていくのが、趣味の教室です。ならば、「やめて申し訳ない」と思う必要はないはずです。
生徒が一人居なくなることは、どんな先生にとっても残念なことですが、それは、やめていく人のせいではありません。やめられてがっかりする先生は居ても、やめた人を悪く思う先生は居ません。
「やめます」の一言で態度が変わるような先生は、どこかがオカシイ人です。