お花関連の、子供の習い事について
お花関連の子供さんの習い事についてのコラムです。(管理人の実体験に基づいています)
生け花や、フラワーアレンジメントなどの習い事には、子供教室もあります。子供さんたちだけの教室もあれば、大人と子供が机を並べて習っている教室もあります。
なぜか、花の習い事では、生け花の世界が、子供教室の運営に熱心です。
実は、管理人自身、10歳のときから生け花を習っていますので、「子供から」やっています。そして、現在では自分が、教室で中学生・高校生の指導をしています。
この記事では、自分が実際に子供時代の習い事で経験したこと、感じたこと、今になってからこそ言えることなどを書いてみます。
【管理人の場合】子供の意思はほぼ関係なかった「生け花教室入門」
上記のように、管理人自身、10歳から生け花教室に通っています。
人に話すと「意外」と言われることが多いのですが、私は、自ら望んで生け花教室に通ったわけではありません。生け花教室に通っていた母が、パートを始めて通えなくなり、でも教室を「やめます」と言うのが心苦しかったようで、娘にバトンタッチで通わせることにしたのです。
もちろん私が、
「行ってもいい」
と言ったからバトンタッチになったので、決して嫌々行ったものではありません。しかし、通い始めた最初の頃は、生け花にほとんど興味はありませんでした。ただ、「イヤではなかった」というだけのことです。
その私が、なぜ40年以上もいけばなを続けることになったのか、自分でもよく分かりません。いまだに、「合っていたのかどうか」さえも分からないのです。
でも多分、私は死ぬまでいけばなと付き合い続けると思います。もう、分かれることはできないものになってしまいました。
私の通った生け花教室には、私よりも年下の子供が二人いました。今思えば、随分子供クラスが充実した教場でした。
ピアノや水泳と比べると、小学生から生け花教室に通う子ども人口は少ないものです。でも、当時の私はそんなことは知りませんでしたので、小学生の自分がいけばなを習っていることを、きわめて普通の習い事だと思っていました。
何歳から花の習い事を始めたかったか
私は、実際には10歳で習い事を始めましたが、今思っていることは、「3歳からやってみたらよかったかもしれない」ということです。
なぜ3歳なのかと言えば、「2歳で鋏を扱うのは無理だろう」と思うからです。要するに、
「可能な限り早く始めてみたら面白かったかな」
と思っているのです。
もちろん、本当に3歳から始めていたら、途中でイヤになってやめてしまった可能性も高いのだろうと思います。なので、「絶対に、できる限り早く始めるのが良い」と思っているわけでもありません。
そして正直な話、生け花は、何歳から始めてもいい部類の習い事なんだろうと思います。
聞くところによれば、バレエやピアノのような習い事は、早く始めた子供と遅く始めた子供の間に、やはり差が付くのだそうで、
「早く始めた子にはかなわない……」
という部分が存在するのだそうです。
花の世界では、私はこのような感覚は持ったことがありません。うまい人だと思ったらすごく小さい子どもの頃からやっていた、という例は、私の周りではゼロです(私の周りにはずいぶんたくさん居ますが、それでもゼロです)。
大体、私が「10歳からやってます」と言うと皆驚きますので、10歳で始めるのはかなり早いほうになります。10歳から始めて、自分でよかったと思うことは、
- すごく年の離れた先輩の「昔の話」についていける
- 30歳の段階で、すでに「20年のキャリア」と言えた
……このくらいでしょうか。
10歳の子供で始めたことをどう思っているか
上の項には、「3歳で生け花を始めたらよかったかもしれない」などと書きましたが、私は10歳で始めたことを後悔しているわけではありません。「たら・れば」のことを考えるのであれば「3歳からやっていれば」と思うこともある、というほどの意味です。
現実的には、自分は、10歳のあの出会いで幸運だったのだろうと思います。
ただし、それは私個人の場合であって、10歳で始めることが誰にとっても幸運かどうかはわかりません。
すべては、「嫌いではなかった」から言える結果論
要するに、私は偶然にも生け花を好きになったので、10歳からやっても嫌いにならなかったし、「3歳からでもよかった」とも思えるし、「生け花とはもう分かれられない」とも言えるのです。
これは、最初には予想されなかった未来でして、私も親も、「生け花の道に進むことになるだろう」とは思ってもいませんでした。私は最初から生け花にのめりこんだわけでもありません。
私が、始めたときから生け花大好きの子どもだったとしたら、もしかしたら逆に生け花師範にはならなかったかもしれません。思いの大きさに自分で疲れて、中学生くらいで生け花をやめてしまっていたかもしれない、などと思うことがあります。
どんな子どもが、何歳からお花の教室に通ったらいいのかなど、決められるものではないのだと思います。
ただ、ここに「小学生から習って、結果的に幸せでした」と思っている人が存在していますので、小さい子供さんをお花の教室に通わせることは、決して悪いことではないとは言えます。
お花の教室で、私が最も伸ばして貰ったのは、「探究心」だったと思っています。それは、作法や女性的な細やかさや、花を愛する優しさよりも、大きく私の中に芽生えました。
私がお花の教室で得たものは「探究心」でしたが、これも、誰にでもは当てはまらないのだと思います。別の子供は、きっと別の何かを見つけるのでしょう。
だから、
「フラワーアレンジメント→華やかでセンスがいい子どもになる」
「いけばな→おしとやかで、情緒の分かる子どもになる」
というような安易な結果を期待するのは、きっと何か違うんだろうな、と思います。
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