sns用にお稽古写真を撮るなら
お花のお稽古場で、自分で生けた作品をスマホやデジカメで撮影し、それをsnsにアップして楽しんでいる人はたくさんいます。今や、花の技術習得よりも、どちらかというとsns用画像素材を作ることの方が重要である、という人もいます。
この記事は、花の教室でお稽古作品写真を撮るときのヒント集です。(難しい撮影テクニックの話ではなく、今すぐ誰にでもできることばかりです)
「ほかの生徒さんの迷惑にならないように撮る」は大前提
まず最初に、大前提であり、絶対に守って欲しいことを書いておきますと、ほかの生徒さんや、会場や、講師の先生に迷惑をかけるような撮影は絶対にやめましょう。
この配慮を必須として、下の記事をお読みください。
背景がスッキリしている方が作品が映える
作品のバックにゴチャゴチャしたものが写っているより、背景がスッキリしているほうが作品が映えます。できれば、背景のスッキリしたところで撮影しましょう。
スッキリした背景の場所とは、無地の壁の前とか、ロールスクリーンを下ろした前などです。お稽古場によっては、「撮影用バック」を出してもらえるところもあるので、聞いてみましょう。
「すっきりした背景」というものは、簡単なようで、会場によっては難しいこともあります。
まず、スッキリした背景が、稽古の会場に存在しないことがあります。たとえば、花屋の倉庫みたいなところを間借りしている教室や、先生の自宅の居間で教えているような教室だと、どこに花を置いても何かしら後ろに余計なものが写りこむ、ということがあるからです。
そういう場合には、できないものは仕方ないとあきらめて、「最良の、スッキリした背景のあるポイント」で撮ってください。画像の加工ができる人は、後から背景をぼかしても良いでしょう。
撮影するのは、作品を生けて、先生にきっちり批評してもらって、その後手直しなどもしてからがいいです。または、批評前・批評後を並べても面白いです。
生けた作品を、撮影ポイントまで運んでから撮るのか、最初から「撮影に最適な席」を確保して、そこで「生ける→撮影する」を両方行うのかは、各教室の都合にあわせて決めてください。
単純なことですが、撮る前に、作品の前に置いた鋏や、切り落とした葉っぱが散らばっているのは、片付けてから撮りましょう。また、自分の荷物や上着なども、写りこまないように気をつけましょう。これは、夢中になって生けて、夢中になって撮っている人ほど忘れがちです。
可能であれば、自然光で撮る
お稽古の時間帯が昼間で、自然光が入る教室なのであれば、窓に近いところで自然光で撮った方が、自然な仕上がりになりやすいです。
花の稽古は、屋内でするものなので、撮影するには光が足りないことが多いです。室内の光を良く見て、
「こちらから光が入っているから、ここで撮るのがベスト」
というポイントを見つけて撮ると良いです。
2カット以上撮る、別角度からも撮る
できれば、写真は1カットだけでなく、2カット以上撮っておきましょう。また、真正面からだけでなく、いろいろな角度からも、撮れるなら撮りましょう。
複数のカットの中から、一番良いものを選んでアップすれば良いと思います。花の作品にも、人物写真のように、「奇蹟的な美麗ショット」というものは存在します。実物より段違いなまでに映える写真はあり得るのです。「奇蹟の一作」が撮れたなら、ぜひそれをアップしましょう。
まっすぐ撮る、または、後からまっすぐに直す
snsを見ると、曲がって撮れている写真が多いようです。画像を撮るときには、意識的に「まっすぐ垂直に構えて撮ろう」とすれば、あまりにも曲がって撮れてしまうことはないと思います。
花の作品は、フラワーアレンジだと「左右対象であること」が重要な作だったり、いけばなだと「垂直に立ち上がる枝」が重要な作だったりすることがあるので、左右どちらかに歪んだ写真だと、非常にもったいないと感じることがあります。
画像ソフトを使える人は、曲がって撮れてしまった画像を、後からまっすぐに修正してもいいです。
画像ソフトで色やコントラストを修正
撮ったまま、特に加工しない画像をアップしてももちろんいいですが、画像ソフトで色味やコントラストを修正して作品に魅力が増すものなら、ソフトの力を借りるのも良い方法です。
作品が気に入らないときの撮り方
せっかく稽古したけど、うまくいかなかった……あるいは、先生には「良い」と言われたけど自分は好きになれない作品になった……というようなときには、ストレートに作品写真をアップしたい気持ちにはなれないこともあります。
そんなときには、あえて正面からの画像は撮らず、真横から撮ってみるとか、上から撮ってみるとか、いっそ真後ろから撮ってみるなどして、「作品写真」ではなく「お稽古を頑張っている写真」に路線を変えてみてはどうでしょう。
作品の全貌ををあからさまに出さない撮り方というのは、上記のほかにもいくつかあって、たとえば、
- 花材の一部分に寄る(花でも実でも、葉でもいいですが、特に美しくて特徴的な一部分が◎)
- 水を入れた花器の、水面に寄る(水面がきれいな場合のみ)
- 花器に寄る(きれいな場合のみ)
- 作品を完全な逆光で撮って、シルエットにしてしまう
などがあります。
シルエットだけの花作品写真は、管理人の別ブログに実例があります→花の情報局のblog シルエット画像
「プロの花作家風」を気取るなら、鋏を撮れ!
「鋏を握った手」の画像は、なぜかプロらしさや、職人らしさや、芸術家らしさ、さらには求道者らしさも出ます。
そのおかげで、有名華道家の書籍など見ると、作者紹介のページなどに、ハサミを持った手の写真が載っている例は非常に多いです。
これを、素人が雰囲気だけマネしたっていいではありませんか。
鋏は、いつも使っているように握り、刃は開いていても、開いてなくてもどちらでもいいです。さらっと、かっこよく鋏画像を上げてみましょう。