園芸福祉士

園芸福祉士

ガーデニング系の資格です。

園芸福祉士(日本園芸福祉普及協会)とは

園芸福祉士とは、園芸福祉の活動を進め、地域に根付かせていくための人材育成を目的として、NPO法人:日本園芸福祉普及協会が定め、認定している資格です。初級園芸福祉士園芸福祉士があります。

この資格は、まだそれほどメジャーではありません。 しかも、ビジネス資格と言うよりは、ボランティア資格と言うべき資格です。

そもそも、園芸福祉とは何かと言うと、日本園芸福祉普及協会のサイトによれば、

「花・果物・野菜・その他のみどりの栽培や育成、配植・配置・交換・交流、管理・運営などを通じて、みんなで幸せになろう」

との理念による活動全般を指します。つまり、花や植物のことと同等に、福祉についても強い関心がある人が取るべき資格です。
植物で、何か社会のため、人のために貢献し、植物で大きな人の輪を作る理想を持った人には、チャレンジする価値が大いにあると思います。
この資格を得ると、地域の園芸福祉サポーターとしての活動などを依頼されることがあります。

初級園芸福祉士と、園芸福祉士の違いは?

初級園芸福祉士の資格は、講座を受け、資格試験に合格し、協会に会員登録して得ることができます。
園芸福祉士の資格は、初級園芸福祉士になった後、いくつかの条件をクリアすると、園芸福祉士資格審査を受ける資格ができ、その審査をパスして得ることができます。

つまり、初級園芸福祉士のほうは受験が必要ですが、園芸福祉士は無試験です(課題の提出は必要です)。初級園芸福祉士になって、熱心な活動を継続する意思が有る人なら、ほぼ確実に園芸福祉士になれます。

登録料は、どちらの階級も同じです。ほぼボランティア資格だということだからかもしれませんが、上の資格に行っても協会への納入金額が変わらないというものは珍しいです。普通は、「今よりお金がかかるから」という理由で、上の資格に行くことをためらったりするものなのですが、この資格においては、そのような心配はありません。

しかし、その割りに、園芸福祉士になる人の数は少ないです。2018年現在で、全国に初級園芸福祉士は約2,300人、園芸福祉士は、約300名存在します。
この事実から、初級園芸福祉士になって得られるものと、園芸福祉士になって得られるものが、ほとんど変わらないのではないかと推測されます。

つまり、やりたいことのほとんどは、初級の身分でもできて、現実的に「初級だから不利」ということが少ないのでしょう。

初級園芸福祉士認定試験の概要……実施時期・試験形態

毎年2月実施。筆記試験で、「選択」と「記述」があります。
全国の複数の会場で行われます。年によって会場数が異なりますので、詳しくは公式サイトでご確認ください。

初級園芸福祉士認定試験の概要……受験料

(2019年現在)

一般8,000円、日本園芸福祉普及協会会員・認定校(大学・専門)6,000円、認定校(高校)3,000円

初級園芸福祉士認定試験の概要……受験資格

協会認定の「初級園芸福祉士養成講座」を修了した者。
初級園芸福祉士養成講座については、下記参照。

初級園芸福祉士養成講座について

(2019年現在)

  • 協会編のテキストによる、グループ方式の講座です。開講予定はこちらで確認できます
  • 講座の内容は、園芸福祉の基本的な理解、コミュニティづくりと園芸福祉、福祉・病院医療機関での活動、モデルガーデンづくり、園芸福祉活動の普及に向けて、etc
  • 講座を修了すると、終了証が発行され、認定試験受験の資格が得られます
  • 受講料:36,600円

各種学校にも、初級園芸福祉士養成講座のカリキュラムがある

上の項の協会主催の養成講座のほかに、各種の農業・園芸系の学校の授業で、受験資格を得られるカリキュラムを実施しているところがあります。
たとえば、以下のような学校です。

初級園芸福祉士認定試験の概要……合格発表

合否の発表は、試験後約二ヶ月ほどで書面が送られてきます。

初級園芸福祉士認定試験の受験対策

上にも書きましたが、試験は、「選択」と記述があります。「選択」では、講座テキストの持ち込みが許されています。

受験対策としては、基本的には「初級園芸福祉士養成講座」のテキストをよく読み込むことですが、園芸福祉の書籍をほかにも読むくらいの勉強はした方が良いです。
養成講座は、早ければ夏頃に行われるところもありますが、一番多いのは10月~11月頃です。試験が2月ですので、受験者は養成講座の後に、3~4か月くらいは受験準備期間が持てることになります。その期間を、公式テキストと園芸福祉書籍の勉強に当てましょう。

初級園芸福祉士になるには

初級園芸福祉士になるには、試験合格後に、日本園芸福祉普及協会の会員登録が必要です。
会員登録するには、登録料(一般12,000円、会員・認定校7,000円)がかかります。登録後に、初級園芸福祉士の認定証と、資格カードが届きます。

資格の有効期間は、初回は3年間。その後は、5年間です。つまり、有効期間が切れるたびに、更新することが必要です。

園芸福祉士になるには

初級園芸福祉士の資格を取得し、下記の条件を満たし、園芸福祉士資格審査の申請をして、審査をパスすることにより、園芸福祉士の資格を得ることができます。
資格審査を申請する条件とは、

  • 初級園芸福祉士の資格更新を一回以上していること。申請の時点で資格登録していること
  • 園芸福祉活動を2年以上行い、年間活動アンケートを、2回以上提出していること
  • 協会が指定する勉強会、イベント等に1回以上参加していること(地域により、参加しなくても可と判断されることがあります)

園芸福祉士資格審査申請の方法

公式サイトより、申請用紙を取得し、記入の上提出(郵送かメール)します。申し込みの締め切りは、例年8月下旬頃です。同時に、審査料3,000円を振り込み、協会側が振込みを確認し、書類を受理した時点で、申請完了です。

申し込み締め切りの1~2週間後くらいに、「課題」が通知され、その課題に対する研究やレポートを、締め切りまでに(締め切りまでの日数は、大体1ヶ月弱くらい)提出します。

協会は、課題を受理して審査し、約1ヵ月後くらいに合否の発表が送付されます。資格証・資格カードが届くのは、その後です。

園芸福祉士の審査に合格するための対策

審査のための「課題」は、申請の三条件を満たす人にとっては、そう難しいレベルのものではありません。
課題は、何が出るのか事前に知ることはできませんが、どの程度のものを提出するのかなどを、すでに園芸福祉士を取得している人に相談してみるのが一番良いでしょう。

初級で満足せず、園芸福祉士まで取ろうという方は、おそらく地域の園芸福祉活動にすでに積極的に参加しているはずです。園芸福祉普及協会の運営の方とも無縁でない人も多いと思います。園芸福祉の分野は、人のつながりを重んじていますので、シンポジウムなどの開催も盛んです。
つまり、申請を考えるほど積極的な方には、「相談できるような人」がきっと近くにいるはずです。一緒に園芸福祉を目指す先輩は、良い相談相手になってくれると思います。


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