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ディプロマとは……花のディプロマについて

ディプロマとは……花のディプロマについて

ディプロマとは何なのか? お花のディプロマを取るとはどういうことか?

フラワースクールの案内チラシなどを見ていると、ディプロマという言葉を見かけることがあります。
この「ディプロマ」という言葉、日本にはまだ完全には馴染んでいないようなので、一応解説をしたいと思います。

ディプロマにも、いろいろある

一般的にはディプロマとは、学校・各種スクールなどの教育機関が発行する、修業したことを証明する書類です。
要するに、「花のディプロマを持っています」=「何らかの花の訓練をした証を持っています」という意味です。

日本の国家資格で「ディプロマ」という言葉を使っているものはありませんので、「○○ディプロマを持っています」という場合、国家資格でないことは確実です。

ディプロマには、簡単に取れるものも、取るのが非常に難しいものもあります。
また、人に良く知られたものも、ほとんどだれも知らないようなものもあります。つまり、とても役立つディプロマもあれば、役立てることが難しいディプロマもあるということです。

どんなディプロマなのか、理解して取るべき

上の項に書いたように、ディプロマにはいろいろあります。ディプロマを取ったご本人は、自分の取ったディプロマの内容・効力をよく理解しておくべきです。
世の中には、大きな武器にもなり得るディプロマも、名前だけでほぼ実体のないディプロマもあります。

例えば、名の通ったスクールで、取るのが難しいと評判のディプロマであれば、持っているだけで箔付けとなり、信用されることにつながります。出すところに出せば大きな力を発揮することもあり得ます。

一方で、仰々しい名称であるのに、素人レベルの内容しかないディプロマもあります。
○○の、ほんの基礎的な講習を受けただけで、「○○マスターディプロマ」という名称の証書をもらえることもあるのです。
また、お金を出して講義に出席すれば、それだけでとれるディプロマもあります。講義を聞いていようがいまいが自動的に取れるディプロマは本当にあるのです。
そんなディプロマは、それなりの証明にしかなりません。それを頼りに、明日からプロとして世間から認めてもらえるだろうと思うのは甘い考えです。

今まで私が見たところ、「ディプロマ持っています」と言わなくても十分に信用される自信がある人が、ディプロマを添え物として提示するというのが、もっとも強力なディプロマの使い方です。この使い方であれば、紙切れに等しいディプロマでも役には立ちます。内容の乏しいディプロマであっても、それを持っている本人の能力が高ければ、人は「この程度のディプロマなんて」とは言わないものです。

自分が望むタイプ・レベルのディプロマを選んで取得し、自分の満足する使い方をしましょう。そのためには、自分がとろうとしているディプロマの実態を理解しましょう。

持っているだけで一生安泰な花のディプロマなどは無い!

現状、日本の花業界には、「それを持ってさえいれば、一生困らない」ようなディプロマはありません。国家資格であるフラワー装飾級技能士ですら、それほど簡単には、営業や就活のツールにはなりません。

ディプロマは、それを、武器として使える手腕を持った人にとっては、強力なツールになることもあるというものなのです。
取得したディプロマをうまく使った人には、

「結果的に、あのときディプロマを取ったことが大きな武器になりました」

と言えることもあります。しかし、

「ディプロマを取ったけど、何もならなかったな」

という人も、結構な数で存在しています。いえ、むしろ本当にディプロマを活用し得た人の方が少数派であるかもしれません。

ディプロマを「持つこと自体が重要」なこともある

ディプロマは、内容が大事である、という話を上の項でしました。
しかし、「内容よりも、持っていること自体が大事」な人も実際にはいます。

例えば、

  • ディプロマ取りが趣味の人
  • 書類の「免許・資格」の欄を埋めることが目的な人
  • 自分は欲しくないのだが、「取らなければならない状況」にいる人

などです。

ディプロマ取りが趣味の人は、レッスンに通って、少しずつ勉強し、最終的に証書を手に入れること自体が楽しいタイプの人です。
書類を埋めたい人とは、履歴書や推薦書の体裁を整えるために、「免許・資格」の欄を空欄にしたくない人です。
ディプロマを取らなければならない人とは、職場や学校で、ディプロマ取りが必須と定められているような人です。(または、家族に「取りなさい」と言われている人)

上記のような人は、実践的に役にたつかどうかは度外視で取る場合もあるかと思います。その場合には、自分にとって取りやすいディプロマかどうかをよく検討して取られるのが良いでしょう。

持っているだけでお金がかかるディプロマもある

ディプロマにまつわる、お金の話もしておくことにしましょう。

ディプロマの中には、取った後にも、持っているだけでお金がかかるものがあります。
楽しみ目的で取るタイプのディプロマには、そういうものは少ないですが、指導者資格のディプロマ(技術を教えることができ、生徒にディプロマ申請をしてあげることができるもの)は、ディプロマ取得後にも、「年会費」「年次登録料」のようなものを継続して納めることが多いです。

そのような料金は、主催団体によって金額が相当違いますので(少なければ1000円程度、多ければ数万円)、どのくらいと一概には言えませんが、プロ資格=指導者資格にかかるお金は、軽い気持ちでは出せない額だと考えておくべきです。
つまり、指導する気持ちもなく指導者資格を取ると、割に合わない高額の年会費が毎年かかる、ということがあり得ます。

先行投資してでも、そのディプロマを取りたいと思う人なら構わないと思いますが、なんとなくお付き合いで指導資格を取ろうと考えている方は、今一度考えなおしてみても良いかもしれません。

「ディプロマ」の言葉の意味は?

ディプロマ=diplomaの意味は、「卒業証書、修了証書、学位、免状、賞状、資格免許状」です。
一般的には、免許も資格もディプロマであるという認識で問題ありません。

(※豆知識……ディプロマは、フランス語では、Diplome=ディプロムだそうです。プリザーブドフラワーのスクールなどは、今後「ディプロム」という言い方も使われそうですね)

参考


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